嫌味な“オシャレ”さがなくて、デビット・リンチ作品に少し似た、不条理な雰囲気を持つ映画。赤、青、黄を印象的に使っていて、独特な世界が描かれています。出演している役者さんも、嫌味なくいい味を出しているとは思いますが、全体的には、明確なストーリー展開ではなく、？（ハテナ）な部分もあり。

主演の松田龍平は、これまで“美少年って言われてるけどそうでもなくない？”と思ってましたが、この作品では確かに美少年に思えました。松田龍平ももう一人の主演安藤政信も、どちらもそんなに若くはないのに、うまーく少年風に撮ってますね。

ストーリー展開は、エキサイティングな内容でない割には、テンポがよく飽きがきません。ただし、謎が多かったので、私の場合は2人の少年の関係に集中して見てしまいました。眠る安藤政信、その隣で体育座りで膝を抱えながら、安藤政信の汗ばむ裸体をチラ見する松田龍平。そんなシーンに若干期待度がアップしましたが、特に絡みとかはないです（笑）。ちなみに松田龍平はゲイバーで働いていて、性的暴行を受けた男を殺した罪で投獄されます。

設定は監獄ですが、現代社会でもなく、近未来かと言うとそれも違う（監獄の外にピラミッドやスペースシャトル打ち上げ場がある）。どんな意図があるのかはわかりません。意図はないのかもしれません。

その監獄に同日に収容された少年2人。終始2人の関係やその背景が見えませんでした。でも特別な気持ちがあって、それが結末に繋がることだけは分かりす。冒頭のイレズミ男のダンスシーン（結構長い）も一体なんなのか分かりません。

分からないだらけで、レビューになりません。
でも世界に引き込んで、魅了する映画であり、とても楽しめました。
主演2人も良かったと思います。

（スタッフレビュー）