同性愛をテーマに取り上げた映画として初めて米国アカデミー賞の作品賞にノミネートされ、惜しくも作品賞は逃したものの、監督賞を受賞した本作品。話題の作品を2006年中に見ておきたくて、年末を目前にレンタルしてきました。
さて、なんてキレイな風景なんでしょう。これまでたくさんの映画を見てきましたが、美しい風景に見とれたのはこれが始めてです。とても印象的な美しい空とワイオミングの自然。風景なんて映画のテーマとは無関係だけれど、ブロークバック・マウンテンは本作を通して、2人の主人公が出会い、生涯愛し、互いに心の中で大切にし続けた場所。その美しさは、2人にとって人生最良の時と、その後の互いに最愛の人を欠いた、満たされない切なさのコントラストを見せているように感じました。
映画の感想としては、時代背景からすると、2人の関係や、それぞれが家庭を持って、“ノンケ”をある意味装って生きていくこともしょうがないんだろうけど、そもそもどうして2人が愛し合うことになったのかもよく分からず、心情的には訴えてこないカンジです。季節労働者として生活を一緒にすることになった2人が体の関係を持つことになってしまったのは、生理的な問題じゃないかと思うし、その時点で2人が気が合ってて、互いに惹かれていたとは思えません。
なので、なかなかのめり込めず。もう少しブロークバック・マウンテンでの2人の生活に意味を持たせて欲しかったのと、数年後に再会して再燃する2人の関係をもっと密に描いて欲しかったというのが個人的な意見です。同性愛をテーマにした映画にもかかわらず、同性愛、ゲイを隠しているようなそんな映画でした。
2005年賞レースを賑わせたけれど、これほど話題になる映画かは、正直疑問です。
あと疑問なのですが、カウボーイっておっさんになってもカウボーイなのでしょうか(笑)。
(スタッフレビュー)
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