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セクシャリティ関連映画 [1996年]
セット・イット・オフ
製作年/国: 1996年/米国
監督: F・ゲイリー・グレイ
キャスト: ジェイダ・ピンケット
メディア:
ストーリーとポイント
ストーニー、クレオ、フランキー、T・T。黒人街で貧しく育った4人の幼なじみは、力を合わせ清掃会社で働いているが、日々の暮らしの中で不満をつのらせていた。そんなおり、顔見知りが銀行強盗で大金を手にしたことから、4人は銀行襲撃を思いつく・・・女性主人公とブラックテイストがうまく噛み合った、新感覚のアクション。

クレオは男勝りのレズビアン。恋人と暮らすために強盗を提案しタフに立ち回る。4人が強盗に手を染める事情も女性・黒人ならではの痛みがあって切ない。その一方で、彼女たちが自由を求めてもがく姿は潔く美しくも見える。四人それぞれが迎えるラストシーンに、仲間を助け合う友情を思って泣ける。緊迫感みなぎるアクションシーンも爽快感あり。隠れた良作でお薦め。
バウンド
cover
製作年/国: 1996年/米国
監督: アンディ&ラリー・ウォシャウスキー
キャスト: ジェニファー・ティリー
ジーナ・ガーション
メディア:
ストーリーとポイント
シカゴ。レズビアンのコーキーは窃盗のプロで、仲間の裏切りで負った五年の刑期を終え出所したばかり。マフィア一家の下でアパートの修繕を任されたコーキーは、隣室に住む一家の一員シーザーとその情婦ヴァイオレットと知り合う。一目で惹かれあったコーキーとヴァイオレットは、シーザーの目を盗み結ばれる。今の生活から抜け出したい2人は一家の金200万ドルを奪い逃亡する計画を立てるが・・・ レズビアンが主人公の新しい犯罪サスペンス。

泥棒と情婦、2人の「悪女」がマフィア一家の男たちを相手に、知力・体力を尽くして挑む姿がかっこいい。2人の計画が崩れてから結末まで、スリルを途切れさせない脚本がみごと。俯瞰とビビットな色彩がうまく組み合わさった絵画のような映像も美しい。「マトリックス」の兄弟監督がデビューを飾った作品としても見逃せない映画。
夜の子供たち
製作年/国: 1996年/フランス
監督: アンドレ・テシネ
キャスト: カトリーヌ・ドヌーヴ
ロランス・コート
メディア:
ストーリーとポイント
パリ。代々続く泥棒一家に生まれながら、刑事になったアレックス。一家の手先で万引きの常習犯ジュリエットを捕まえたことから、2人は関係を持つようになる。ジュリエットの強い絆で結ばれた兄ジミーも一家の手下で、アレックスに逮捕され刑務所行きになったという過去があった。アレックスの兄が盗みに失敗し射殺された直後、ジュリエットが失踪する。アレックスはジュリエットの行方を追って、彼女の最愛の女性・哲学教授マリーと対面する。ジュリエットを巡る3人の愛憎を描いたサスペンス。

ジュリエットは、マリーとは互いを唯一の存在として愛し合い、アレックスとは軽蔑しながら愛のない肉体関係を持ち、ジミーとは近親相姦的な絆で結ばれている。4人それぞれが、敵意と共感で複雑に結びついていくさまに、人間の感情の激しさとうつろいがみごとに表現されている。教え子と愛し合う教授を知的かつ情熱的に演じた、ドヌーブの変わらぬ美しさも必見。
ラヴ&カタストロフィ
製作年/国: 1996年/オーストラリア
監督: エマ=ケイト・クローガン
キャスト: フランシス・オコナー
ラダ・ミッチェル
メディア:
ストーリーとポイント
オーストラリアの大学生、レズビアンのミアと理想の男性を夢見るアリスはルームメイト。ミアとけんか中の恋人ダニー、恋に不器用な医学生マイケル、男娼のバイトをするニヒルな二枚目アリ。五人の大学生の一日を、担当教官変更・ルームメイト探し・卒論・パーティーなどのエピソードでつないでいく。五人の直面するトラブルと恋愛を、ユーモアと涙でつづった青春コメディ。

トラブル続きの一日を終え、互いに素直になれなかったミアとダニーが仲直りする階段のシーンが微笑ましい。2人を特別視するでもなく、ビアンとヘテロ、それぞれの恋愛を並べて描いているのも新鮮。随所に映画のパロディが織り込まれ、にやりとさせられる。セピア色の映像と美術・小道具に見える低予算ならではの手作り感覚が、妙に親しみを感じさせる。エンディングで流れる"Do it"の
「みんな恋をしよう!」の歌詞に素直にうなずいてしまう、元気が出る映画。

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