無料会員制
Login

 入会するには
 お問合せ

オススメの一冊 バックナンバー007

月神(ダイアナ)の浅き夢 (角川文庫)

※作品のタイトルをクリックすると、検索することなくamazon.co.jp内の関連ページが表示されます

ダイアナの浅き夢 ■著者: 柴田 よしき
■出版社: 角川書店
■価格: \880 (税込)
■出版時期:2000年5月

<紹介文>
若い男性刑事だけを狙った連続猟奇殺人事件が発生。手足、性器を切り取られ木にぶらさげられた男の肉体。誰が殺したのか?次のターゲットは誰なのか?

刑事・緑子は一児の母として、やっと見付けた幸せの中にいた。彼女は最後の仕事のつもりでこの事件を引き受ける。事件に仕組まれたドラマは錯綜を極め、緑子は人間の業そのものを全身で受けとめながら捜査を続ける。刑事として、母親として、そして女として、自分が何を求めているのかを知るために…。
興奮と溢れるような情感が絶妙に絡まりあう、「RIKO」シリーズ最高傑作。

<レビュー/コメント>
1作目「女神(ヴィーナス)の永遠 」、2作目「聖母(マドンナ)の深き淵」に続き、やっと本3作目を読みました。

1作目は女性同士の恋愛、2作目では男性同士の恋愛+性同一性障害者と女性の友情が描かれていましたが、さて3作目は、というと・・・。男も女もなくて、“人を愛するという事”について語られていたような気がします。

主人公とシンクロしながら、見えそうで見えない深い謎を追っていくと、読む手が止まりません。余談ですが、小説を読んでいると、第三者の目で映画を見るように読んだり、ただ字を追ったり、作者の執筆時を想像したりします。このRIKOシリーズの場合、何故かこの小説の中にいるような、主人公にシンクロするような気になります。

今回は、残忍な刑事殺しを軸に、人と人が過去をさかのぼって繋がっている様が描かれ、誤認逮捕や自動虐待がピックアップされています。それと共に、2作目で謎だった元刑事とヤクザの関係やそのヤクザの過去(彼を題材にした小説「聖なる黒夜<上下>」もあります!)も少し明らかになります。

1作目から通して書かれていますが、友人、同僚、母、父、兄弟姉妹、恋人、妻、夫、子供などの呼び方で呼ばれる全ての「人と自分のあり方」について、今回は深く考えさせられた気がします。読み終わった後は、なんだか自分が薄っぺらいような気がして不安にすらなりました(笑)。

小説のストーリーではなくて、その根底にある「人を愛するということ」の一つのあり方に魅了されて最後まで一気に読んでしまいました。ぜひ3作通して読んで欲しいです。

1作目のレビューも掲載しています。
■「RIKO―女神(ヴィーナス)の永遠」レビュー

2作目のレビューも掲載しています。
■「聖母(マドンナ)の深き淵」レビュー

書籍情報
書籍情報Top
一覧
ノンフィクション
小説
コミック
雑誌
紹介雑誌
アニース
ガーリッシュ
からだ系コイダス
ロゼッタストーン
ヴォーチャ
関連記事
情報募集
コラム
用語集
映画

Home

画像提供
Amazon.co.jp アソシエイト

Copyright Bravissima! All Rights Reserved.