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[性同一性障害] 衆院で「特例法」成立 対象者の制限で課題残す |
2003年7月10日
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衆院本会議で10日、心と体の性が一致しない性同一性障害を持つ人が、家庭裁判所の審判で戸籍の性を変えられるようにする「性同一性障害者の性別取り扱い特例法」が成立した。当事者の要望に応えるため衆参両院で審議が省略され、提出から10日目の早期成立となった。ただ、同法は子どものいる当事者を対象から外しており、実際に性別変更が可能となるのは全体の4分の1程度にとどまる見通し。対象課題は施行後3年の見直しに持ち越された。
子どものいる当事者が除外されたのは、与党内に「親の性別が変わると子どもが混乱する」との意見が強かったためだ。早期成立を優先するため、法案作成時に「子どもがいない」との要件が加えられた経緯がある。男性から女性に性別適合手術を受け、2人の子どもと暮らす橋本佳美さん(36)らが「子どもが結婚する時に、戸籍をみれば母親が『男』となっている。子どもの人権を考えれば、戸籍の性別を変えられない方が問題だ」と訴え、その後、付則に3年後の見直し規定が盛り込まれた。当事者団体「gid.jp」の山本蘭代表は「性同一性障害者は2000人強いるとみられるが、この法律で性別変更できるのは500人程度」と述べ、見直し規定の着実な実施に期待を寄せている。
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