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性同一性障害:早大院生・杉山文野さん、初の自伝で葛藤つづる

2006年6月6日
体は女。けれども自分は男。体と心の性がかみ合わない―。

早稲田大大学院生の杉山文野(ふみの)さん(24)=新宿区=が性同一性障害である自身の葛藤(かっとう)をつづった初の自伝「ダブルハッピネス」(講談社)をこの春、刊行した。当事者は、その思いも考え方もさまざまだが、「同じ立場で苦しむ人が一歩を踏み出す参考になれば」と杉山さんは語る。

幼いころは近所の男の子とサッカーや鬼ごっこをして遊び、「自分は男」と疑わなかった。何も知らない両親の意向で小学校から高校まで一貫の私学の女子校に通い、「小学校の入学式でセーラー服を着せられ、自分は女というカテゴリーに属するんだと分かった」。

思春期の胸のふくらみや初潮。体は「女」になっていくのに、好きな女の子に胸がときめく。体と心のアンバランス、自分への嫌悪感にさいなまれていた高校時代、新聞で性同一性障害のことを知り、「苦しんでいるのは自分だけではない」と救われた。 友人に打ち明けると「文野は文野だよ」と言われ、胸が熱くなった。母(53)は初め、「そんな子に産んでしまった」と自分を責めた。「そうか」とあっさり受け入れた父(53)も、実は同性愛と混同し「一度、男と付き合ってみたらどうだ」と話が空回り。お互い苦しみながら会話を重ね、いまでは「家族が一番の応援者」という。

「五体不満足」の著者、乙武洋匡(おとたけひろただ)さん(30)に勧められたのが、自伝を書くきっかけだ。昨春、電動車椅子で移動中の乙武さんを見かけ、「手足を取り戻す手術を受けたいと思いませんか」と話しかけた。「性別適合手術を受けて男の体に戻るべきか」と悩んでいたときで、乙武さんは「僕はいまの僕に満足しているから」と答えた。

「ユニホームに男女差がない」と小5から打ち込んだフェンシングは2年前、日本代表に選ばれた腕前。現在は子どもたちにフェンシングを教え、地域活動にも熱心にかかわる。「人の2倍、つらい思いをしたけれど、喜びも2倍かな」と杉山さん。この1年、自分を見つめ、「性同一性障害は自分のなかの一つの要素」と思うようになった。

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