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同性結婚の証明書、米で来春にも交付…阻止派動き出す |
2003年12月26日
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同性結婚を巡る論争が続く米国で、来年5月にも、同性カップルに初めて「結婚証明書」が交付される。マサチューセッツ州最高裁が先月、同性同士で結婚する権利を認め、
州議会に対し、180日以内の法改正を命じた判決を下したからだ。危機感を強める同性
結婚阻止派は、米憲法修正による同性結婚の抜本的禁止を目指して動きだした。
同州ボストン郊外に住む弁護士、エレン・ウェイドさん(55)は、やはり弁護士のモーリーン・ブロドフさん(51)と、女性同士で24年前から同居している。電話インタビューに「どこで、どういう結婚式や披露宴をするか、計画中。
夫婦として社会的に認められ、遺産相続などが法律で保証される意味は大きい」と声を弾ませた。
同性カップルが、州を相手取って婚姻関係を認めるよう求めた訴訟は全米各地で起こされてきた。同州の判決以前にも、97年のハワイ州最高裁判決をはじめ、アラスカ州、
バーモント州で原告の主張をほぼ支持する判決が出された。
これまでは、判決直後、州議会が州憲法を修正したため、同性カップルの結婚は実現
しなかった。
だが、マサチューセッツ州の場合、州憲法修正で同性婚を禁じようとしても、
そのためには住民投票が必要で、実施は早くて2006年になるという。
少なくとも数年間は同性婚が合法となる状況だ。
これに対し、全米37州ですでに、「他州で結婚した同性カップルが引っ越してきても
『夫婦』として認めない」という州法が成立、“防波堤”を築いている。ブッシュ大統領は、
マサチューセッツでの判決を受け、「議会の幹部らと協力し、結婚の神聖さを守るために必要な法的措置を取る」と声明を出した。
その一つとして、米国憲法を修正し、結婚を男女間に限ろうという動きが出ている。
米上院では先月、下院では5月に憲法修正案が提出された。
保守系民間団体「家族調査評議会」のトム・マックロースキー行政部長は「上下両院で、早く手を打とうという声が
高まっている」と強調する。
米国の同性愛者は人口の3%、同性カップルは約53万世帯と推計される。「ピュー研究
センター」(ワシントン)が10月に行った世論調査では、米国民の6割が同性結婚に反対。週1回以上教会に通うキリスト教信者(全体の42%)の中では、76%が反対だ。
米国以外では、デンマーク、オランダなどに次ぎ、カナダの2州が今年夏、同性結婚を
合法化し、すでに1000組以上が結婚している。
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