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同性愛者によるHIV啓発イベント、名古屋で開催 |
2007年6月10日
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6月2、3日の2日間、名古屋市栄の池田公園を会場に、HIV予防啓発イベント「NLGR」が開催された。NLGRとはNagoya Lesbian & Gay Revolutionの略。個人の意識改革(Revolution)の視点から、HIVを含む性感染症の予防を呼びかけるイベントとして2001年から毎年行われている。主催は同性愛者による同性愛者のためのHIV予防啓発活動を行うANGEL LIFE NAGOYAを母体とするNLGR実行委員会だ。
今回のNLGRのテーマは「Lyce'e NLGR」。「Lyce'e(リセ)」とはフランス語で高等学校のことだ。多くの人が学び、交流し、成長する場になるようにというコンセプトのもと、イベントは「NLGR学園祭」と称されている。
会場は、物販、ヘルスチェック、リラクゼーションサロンのようなもの、さらにフリーマーケットなど、HIV啓発団体をはじめとするさまざまな団体によるブースが出展され、とてもにぎやかだ。特設ステージでは、きらびやかに着飾ったドラッグクイーンの司会により、HIVに関するクイズやトーク、音楽ライブなど2日間を通じてバラエティ豊かなショーが繰り広げられた。
公園でのプログラムが終了した後も、近隣のクラブやバーでは全国各地から集まった参加者たちが交流する姿が見られた。
また、HIV、B型肝炎、梅毒という3種類の性感染症の無料検査会も、池田公園近くのホテルで行われ、538人が検査を受けた。HIVの検査は結果が出るまでに数日かかるものが一般的だが、この検査会では翌日に結果が報告される。これは、スタッフが不眠で確認検査まで行うことで、実現できるのだという。私も検査を受けたが、徹底したプライバシー保護とスムーズな検査進行、手厚いオリエンテーションは感動するほどだった。
2日目のラストを飾る毎年恒例の同性結婚式では、2組のレズビアンカップルがトランスジェンダーの神父のもとで結婚の誓いを行い、多くの参加者からたくさんの祝福を受けた。
「初めて来たけど、こうやって真面目にHIVについて考えることって大事だと思う。無知なのがいちばん怖いことだと知りました。NLGRは単なるお堅いイベントじゃないのがいいね。いろんな人と出会えるし、楽しくてためになる貴重な催しだと思います」とは、30代でゲイの男性。
HIVは、正しい知識があれば感染・発症をある程度食い止めることができる。HIVを身近な問題として知り、考えることが、同性愛者間の感染をこれ以上広げないためにできる、いちばん大切なことであると私も思う。そしてそれは、すでに感染した人々と共生していくために、欠かせないものでもある。
もちろん、異性愛者であってもそれは同じ。感染者は年々増加しつづけている。セックスという“愛”を媒介とする病気がもたらしてしまう悲しみを、これ以上増やすことがないよう、私たちはもっと学ばなければならない。
(オーマイニュース)
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