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魚喃キリコ原作コミックを映画化
「ストロベリーショートケイクス」

2006年9月27日
恋愛や結婚に悩む4人の女性を描いた魚喃キリコ原作の同名女性コミックを「風たちの午後」(80)や「三月のライオン」(92)などの作品で知られる矢崎仁司監督が映画化した「ストロベリーショートケイクス」。00年の「花を摘む少女と虫を殺す少女」以来、6年ぶりに長編作品を完成させた矢崎監督に話を聞いた。

「ストロベリーショートケイクス」はフリーターの里子、OLのちひろ、ホテトル嬢の秋代、イラストレーターの塔子という4人の女性の都会生活における孤独や恋愛に苦悩する姿を描いた人間ドラマ。「風たちの午後」では女性による同性愛、そして「三月のライオン」では兄と妹による近親相姦を描いてきた矢崎監督は、本作でも再び現代女性のリアルを描いているが「特に女性を描こうとは思ったことはありません。1人の人間として、考えてますからね。それに女性だからああしたいとか、こうしたいとかいうのもないです」と意外な返答。

男性の矢崎監督が女優4人を相手に、しかも女性心理をメインに据えた作品の演出することはとても大変そうだが「人の気持ちの流れが、おかしいと思うところだけを注意して演出しましたね。(俳優さんたちに対しては)要求もほとんどなかったんですよ。ただ、空気を映し撮りたいというのはありまして、劇中で彼女が部屋で佇んでいる空気が、観客の知っている(経験したことがある)空気になっていれば、と思っているんです。彼女がただ台詞をしゃべっているのを撮影するのは簡単ですけど、空気を作るまでには、時間がかかりますからね。僕としては空気が出来上がれば、どう撮っても構わないと思ってます」と自らの演出スタイルについて語り、「僕は今回、本当にスタッフを信用していて、モニターを1度も見ませんでした。素晴らしいスタッフのお陰で俳優さんの演技に集中することができました」と、はにかみながら感謝の気持ちを表していた。

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