同性愛者であることを昨年8月に公表した大阪府議、尾辻かな子さん(31)の講演会が18日、浜松市城北の静岡大学で開かれた。県内外から約40人が訪れ、「性の多様性を知って、広げてほしい」と話す尾辻さんの言葉に熱心に聴き入っていた。
講演は県男女共同参画センターなどの主催。尾辻さんは「『虹色』の社会をめざして」と題して、性的マイノリティーに関する基礎知識や公表した自身の体験、現在の思いなどを語った。
尾辻さんは、人口の約1割いると言われる日本での同性愛者らの状況について、「差別や偏見を恐れて公表しにくく、社会の中で存在が明かされにくい」と指摘。当事者に対しては、「一人で悩みを抱えこまず、孤独にならないでほしい」と訴えた。さらに東海地震など災害時などについて「地域とのつながりを持ちにくい同性愛者が、救助されにくい状況になるのでは」と不安を話した。
議員として公表してから半年が経過した。「政治の現場では、男女共同参画へのアレルギーが依然として強い。今後は行政が性の多様性についての教育体系を作っていくべきだ」と課題を挙げ、「社会はもっと同性愛嫌悪の問題と向き合う必要がある」と強調した。
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日には静岡市駿河区馬渕の同センターで、午後1時半から都内の同性愛者団体代表、石坂わたるさんと母のモモさんが講演する予定だ。
(毎日新聞)
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